超初心者のミク歌作り
8.伴奏をつける
2008/07/20  

シーケンサー上の曲を作り上げる
シーケンサーに戻って伴奏を付け加えます。
私は、最小限の手間で音楽として聞けるように

  a. リズムパート
  b. 旋律の伴奏
  c. 一定リズムの伴奏

の3つを付けています。

   a. リズムパート

付け足して一番サマになるのはリズムパート。
これはドラム等の打楽器のことです。

もし他の伴奏を付け足す余力がなければ、
最低限
  主旋律+歌+打楽器
だけでも、最低限それなりに聞けるようになります。
リズムパートは、そのくらい重要なんです。

ぶっちゃけ言いますと、重低音のドラムをくっつけとけば、なんとかなります。
インターネット上で音楽作りのページなんかを見ると、よく
 「・・・曲作りができないから、重低音でごまかしている・・・」
みたいな言い方をされています。
しかーし、我々は超初心者なんですから、まずは「ごまかしができる」レベルにまで達することが先決です。
ということで、心おきなくどんどんドラムを付けましょう。

打楽器の注意、超初心者としては、

  下手に凝っていじりすぎない

ことです。

あまりにも複雑なリズムが途中でころころ変わると、聞き手が混乱して「ノれない」んですね。
なので、複雑なリズムは基本ができた中級者以上がするものだと割り切って、
超初心者は単調なリズムに徹した方が良いみたいです。
以上は私の経験。
あと、単調なリズムは打ち込むのが楽ちんですよ。

リズムは、1小節分だけ基本パターンを作って、あとはそれをコピーして曲全体をカバーします。
(明らかに曲の調子が変わるというようなことがあれば、
曲の調子に合わせて2〜3パターン用意して途中で切り替える、といったことをします。
ただ、切り替えの場合も大雑把に前半、後半、といった具合に差し替えるわけで、
細かく数小節ごとにチェンジする、といったことはしません。)

で、曲全体の善し悪しを左右するほど重要なのが、この打楽器の基本パターン。
これは突き詰めるとすごく奥の深い世界なのですが、まずは理屈抜きでトライ&エラーです。
長さ1小節だけのパターンを作っては試し、作っては試し、を何回か繰り返してみます。
そして偶然うまいパターンが出来たら、それを使いましょう。

不幸にして上手いパターンが見出せなかったら、無難でありがちなパターンを入力します。
とりあえず、

  「ズンズンチャッツ、ズンズンチャ!」

あるいは

  「ドッチドドッチ、ドッチドドッチ」

の繰り返しを打ち込みましょう。

「ズン」とか「ドッ」の部分は重低音のドラムで、
「チャ」や「チ」の部分はやや軽めのドラムや、他の打楽器で。
「重+軽」の2種類の打楽器で1パターンを作って、あとはそれをコピーします。

それでもリズムパターンがうまく合わなかった人は、最後の手段。
一番簡単な「8分音符の繰り返し」でいきましょう。
やや高音のドラムで、

  「チャカチャカチャカチャカ、チャカチャカチャカチャカ」

を短調に繰り返すだけ。
これなら簡単でしょ。
手間がかからない割には、それなりにサマになります。

もう少しゆとりがあれば、

  最後(エンディング)だけ、特別な音を入れてみる

といったことをすると、曲の完成度がぐっと上がります。
とにかく最後は

  たたく回数を増やして、盛り上げて締める、

といったことをすると「終わりよければすべてよし」といった感じになります。

PLAY: 牛乳の歌、リズムパート入り (mp3)


   b. 旋律の伴奏

さて、次なる難関は「伴奏パート」を付けることです。
伴奏ってやつは、下手するともう1曲作曲するくらいの労力がかかります。
フィーリングでポンポン打ち込める人は良いのですが、そんなのとっても無理って人のために、
ここでも奥義を授けます。
それは、

  2音下に、平行に音を付ける

という方法です。

「ペンちゃんの不思議なけんばん」をたたくとわかるのですが、
ドレミファソラシドは、原則として「2つ隣の音がよく響き」ます。

つまり、
 ド:ミ
 レ:ファ
 ミ:ソ
 ファ:ラ
 ソ:シ
 ラ:ド
です。

少しだけ例外があって、
 ソ:シ
よりも
 ソ:ド
の方が安定して良く響きます。
長調の歌の場合、最後が「ソ:ド」の組み合わせで終わることが多いので、この例外は案外重要なんです。
詳しく言うと
 ソ:シ -- ちょっと悲しい感じの組み合わせ
 ソ:ド -- 安定したハッピーエンドな組み合わせ(ただしちょっと重々しい感じ)
です。

もう1つの例外は、
 ラ:ド -- 明るい感じ
 ラ:レ -- ちょっと悲しい短調な感じ
です。
この違いは微妙なので、実際に音を聞きつつ調整することになります。

で、要はこの「2つ隣の音」をそっくりそのまま付けてやれば、それで伴奏パートが出来上がります。
主旋律の2つ下に、ほぼ平行に音を配置するだけです。

PLAY: 牛乳の歌、伴奏を平行につけてみた (mp3)

2つ下が有りなら、2つ上っていうのも有りです。
ただ、できあがりを聞いてみると、どうしても上にある方が「主」っぽく聞こえる傾向があるので、
私は原則2つ下に付けています。

この平行伴奏には、1つ問題があります。
それは、
  主旋律と全く同じ音の配置にすると、2つの旋律ではなく、1つの良く響く音に聞こえてしまう、
といった問題です。
わざわざ2つ作った意味がない、というわけです。

これを回避する最もお手軽な方法は、
  主旋律と伴奏を、別の音色で作る
ことです。
Domino の場合は、パートを分けて、別のパートに伴奏を打ち込みます。
そして、打ち込んだ後に音色を変えて、違った楽器に聞こえるようにすればOKです。

もう少し正当な方法で伴奏を主旋律から「分離」するには、やはり伴奏を主旋律とは違ったものにすることです。
そこで、平行に打ち込んだ伴奏を変形する、といったことを行います。
主旋律で変化の激しい部分では、伴奏の方では幾つかの音を間引いて、伴奏らしくゆったりしたものにします。
逆に主旋律の節の最後の部分などで、長い音を引っ張っているような部分では、
伴奏の方に「チャラリラチャラリラ」といった早めの旋律を入れてかき混ぜてやります。
こうして「平行な音」から出発して、違った部分を入れ込んで行けば、
やがては独立した1個の伴奏として聞こえるようになります。


   c. 一定リズムの伴奏

伴奏の基本は、ずばり、

  「ドミソ」
  「ドファラ」
  「シレ(ファ)ソ」

の3つです。
各小節には、とりあえずこの3つのうちのどれかがあてはまるはずです。

どれがあてはまるかを調べるには、主旋律を演奏しながら、
「ペンちゃんの不思議なけんばん」をたたいて確かめましょう。
慣れてくればいちいち確かめなくても、上記の「2音下の法則」を使って、
主旋律からあてはまる音の想像が付くようになります。

どの音があてはまるか確認できたら、それを伴奏に加えてゆくのですが、
超初心者は加えるリズム、タイミングがわからないですよね。
もし全くわからなければ、1小節に3つの音をそのまま
「ジャーン」ってな感じにそのまま入れてしまいましょう。
これでも曲によっては立派な伴奏になります。

もう少し気の利いた伴奏にしたければ、以下の2つのうちのどちらかを付けてみます。

* 4分音符の繰り返し、
  「ドミソミ、ドミソミ」
  「ドファラファ、ドファラファ」
  「シレソレ、シレソレ」
の3パターンの、どれかをあてはめる。

* 8分音符の繰り返し、
  「ミソミソミソミソ」
  「ファラファラファラファラ」
  「レシレシレシレシ」
の3パターンの、どれかをあてはめる。

普通の曲には4分音符の繰り返しパターン、
早めの曲には8分音符の繰り返しパターンをあてはめればよいでしょう。

PLAY: 牛乳の歌、 一定リズムの伴奏を入れてみた (mp3)

さらにもう少し気の利いた伴奏にしたければ、杓子定規にあてはめた繰り返しパターンを少しずつ崩してゆく、
といったことをします。

例えば上の4分音符パターンでは「ドミソミ、ドミソミ」としましたが、
これが「ドソミソ」であっても、「ソドミソ」であっても構わないわけですよ。
同じように、8分音符パターンでも「ミソミソ」の代わりに、
ひっくり返して「ソミソミ」にしてみるとか、
「ソミドミ」にしてみるとか、少しずつパターンを変えてみるんです。

音に関しても、例えば「ドミソ」を外してちょこっとだけ半音を入れてみるとか、
隠し味のスパイスを入れるみたいにちょっとだけ音を変えてみると良くなることがあります。
先に、基本のリズムパートはいじりすぎると良くない、と書きましたが、
この伴奏の方はいろいろいじっても、わりと何とかなるみたいです。

まとめますと、
 ・まず「ドミソ」「ドファラ」「シレ(ファ)ソ」の組み合わせパターンで伴奏を埋める。
 ・次に、規則的に埋まった伴奏を主旋律に合わせて崩して、個性的な音に仕上げる
といった方法で伴奏を完成させます。

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